スケルトン・インフィル分譲住宅等に係る登記上の取扱いについて 平成14年10月18日民二2474法務省民事局民事第二課長依命通知

スケルトン・インフィル分譲住宅等に係る登記上の取扱いについて
平成14年10月18日民二2474法務省民事局民事第二課長依命通知

(依命通知)
標記の件について,別紙甲号のとおり国土交通省住宅局長から民事局長あてに照会があり,別紙乙号のとおり回答されたので,この旨貴管下登記官に周知取り計らい願います。
別紙甲号

国住生第121号
平成14年9月18日

法務省民事局長殿
            国土交通省住宅局長

スケルトン・インフイル分譲住宅等に係る登記上の取扱いについて

 スケルトン・インフィル分譲住宅とは、長期の耐用性を有し、住まい手の多様なニーズに応えるために開発された建築構法によるものであり、購入者が分譲業者からスケルトン(躯体等)を購入し、内装業者等にインフィル(住戸内の内装・設備)を注文等し住宅として完成させる方式です。この方式によると、一棟の建物に属する一部の住戸について、インフィル工事の完成時期が遅れる可能性があります。共同住宅については、一棟の建物全体を一括して表示登記を行うこととされていることから、インフィル工事が未了の住戸を含む区分建物について、表示の登記を申請することが可能か疑義があります。
 そこで、スケルトン・インフィル分譲住宅の供給促進を図る観点から、その取扱いを明らかにする必要があるところ、一部にスケルトン状態の住戸を含む共同住宅の表示の登記の申請に関して、別紙のとおり取り扱うことについて登記手続上差し支えないか、照会いたします。
  なお、差し支えない場合は、この旨各法務局及ぴ各地方法務局に周知方お取り計らい願います。
別紙
  一部にスケルトン状態を含む区分建物の表示登記の申請に関して、建物の種類を以下のとおり取り扱うこととすることについて。

1 インフィルが完成している住戸については、従来の種類の基準に従って「居宅」とする。
2 インフィルが未完成の住戸であっても、建物自体の構造,他の住戸部分等の現況及び次に掲げる添付書面等によりスケルトン状態の住戸であることが証されているものについては「居宅(未内装)」とする。

添付書面
ア 建築確認申請書及び同通知書【別添1】
  スケルトン状態を含む区分建物の用途の記載があるもの
イ 仮使用承認申請書【別添2】
  インフィルが完了している住戸についての仮使用承認申請書ではあるが、スケルトン状態の住戸についてもその用途の記載があるもの
ウ 仮使用承認通知書【別添3】
  スケルトン状態以外の住戸の部分について、仮使用することを承認した旨の記載があるもの
エ 工事完了引渡証明書【別添4】
  スケルトン状態の住戸(専用部分)の記載があるもの

3 登録免許税の課税標準額
  建物の種類が、インフィル工事完成前の「居宅(未内装)」として登記されている建物であって、固定資産課税台帳に登録された価格のない建物について所有権の保存・移転等の登記を申請する場合の登録免許税の課税標準は、建物の種類を「倉庫」とする建物の例により認定した不動産の価格とする。
4 租税特別措置法の適用
  住宅用家屋の取得にかかる税制上の特例措置の適用については、住宅用家屋の取得と居住の用に供したことが要件とされているため、登記簿上の建物の種類を「居宅(未内装)」からインフィル工事完成後に「居宅」に変更し、所有権の保存・移転の登記申請をすることによりはじめて、税制上の特例措置が受けられることとなる。
(別添1~4 は省略)
(別紙乙号)
法務省民二第2473号
平成14年10月18日
国土交通省住宅局長 殿
     法務省民事局長
スケルトン・インフイル分譲住宅等に係る登記上の取扱いについて

(回答)

 平成14年9月18日付け国住生第121号をもって照会のあった標記の件については、貴見のとおり取り扱われて差し支えないものと考えます。
 なお、この旨法務局長及び地方法務局長に通知したので、申し添えます。