良質な賃貸住宅等の供給の促進に関する特別措置法の施行に伴う不動産登記事務の取扱いについて (平成12年2月24日民3第473号通達)
(通達)良質な賃貸住宅等の供給の促進に関する特別措置法(平成一一年法律第一五三号。以下「特措法」とい う)が本年三月一日から施行されることとなり、借地借家法(平成三年法律第九〇号)の一部が改正されることとなったので、これに伴う不動産登記事務の取扱いについては、下記の点に留意するよう貴管下登記官に周知方取り計らい願います。
記
第一 定期建物賃借権
一 期間の定めがある建物の賃貸借をする場合において、 公正証書による等書面によって契約をするときに限り、 契約の更新がないこととする旨の特約をすることができることとされた(改正後の借地借家法(以下「新法」という。)第三八条第一項前段)。
この特約のある賃借権(以下「定期建物賃借権」という。)の設定の登記の存続期間の記載は「平成何年何月何日から何年(又は平成何年何月何日から平成何年何月何日まで)」とし、特約の記載は「契約の更新がない」とする(不動産登記法(以下、「不登法」という。)第一三二条第一項)。
なお、存続期間は、一年未満でも差し支えない(新法第三八条第一項後段)。
二 定期建物賃借権の設定の登記の申請書には、新法第三八条第一項に規定する公正証書の謄本等の書面を添付しなければならない。ただし、登記原因を証する書 面が執行力のある判決であるときは、この限りでない (不登法第一三二条第二項)。
三 定期建物賃借権の存続期間の変更の登記の申請書に添付すべき書面については、二に準じて取り扱うものとする。
第二 新法施行前に設定された建物の賃借権
特措法第五条(借地借家法の一部改正)の規定の施行(平成一二年三月一日)前にされた建物の賃貸借契約であって改正前の借地借家法第三八条一項の定めがあるものについての賃借権(以下「賃貸人の不在期間の建物賃借権」という。)の設定又は賃借物の転貸の登記に関しては、なお従前の例によることとされた (特措法附則第二条第二項)。
したがって、平成一二年二月二九日以前の日付をもって契約された賃貸人の不在期間の建物賃借権について、同年三月一日以降に申請される登記の取扱いは、今後も、平成四年七月七日付け法務省民三第三九三〇号当職通達「借地借家法の施行に伴う不動産登記事務の取扱いについて」記第四の一によることとなる。
第三 登記の記載
新法施行後の定期建物賃借権に関する登記の記載は、 次の振り合いによる。
(乙区)
何 賃借権設定
平成何年何月何日受付
第何号
借賃 壱月何円
支払期日 毎月末日
存続期間 平成何年何月何日から何年(又は平成何年何月何日から平成何年何月何日まで)
特約 譲渡、転貸ができる
契約の更新がない
賃借権者 何市何町何番何号
何某 印