商業登記規則等の一部を改正する省令の施行等に伴う商業・法人登記事務の取扱いについて(通達)平成16年3月31日法務省民商第952号

法務省民商第952号
平成16年3月31日
法務省民事局長
法 務 局 長  殿
地方法務局長  殿

商業登記規則等の一部を改正する省令の施行等に伴う商業・法人登記事務の取扱いについて(通達)

商業登記兢則等の一部を改正する省令(平成16年法務省令第22号)が本年6月21日から施行されることとなり,これに伴い,昭和39年3月11日付け法務省民事甲第472号当職通達「商業登記等事務取扱手続準則」(以下「準則」という。)の一部を改正します(平成16年3月31日付け法務省民商第953号当職通達)が,これらに伴う商業・法人登記事務の取扱いについては,下記の点に留意するよう,貴管下登記官に周知方取り計らい願います。
なお,本通達中,「法」とあるのは商業登記法(昭和38年法律第125号)を,「規則」とあるのは商業登記規則(昭和39年法務省令第23号)をいい,条文は,特に「旧」の文字を冠したものを除き,いずれも改正後のものです。

第1 本通達の趣旨
本通達は,行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律(平成14年法律第151号)及び規則の規定により電子情報処理組織を使用して行う登記の申請に関する事務の取扱い,受領証の交付及び添付書類の還付に関する事務の取扱い並びに法第113条の7の規定による支店の所在地における登記の申請に関する事務の取扱い等について,留意すべき事項を明らかにしたものである。
第2 用語の定義
本通達における用語の定義は,別紙1のとおりとする。
第3 すべての登記所における事務の取扱い
1 受領証の送付の請求
送付に要する費用を郵便切手等で納付して,受領証の送付を請求することができることとされた(規則第38条の2)。
なお,受領証の作成に関する事務の取扱いは,法第113条の7第1項の規定による登記の申請にあっては,登記手数料額の表示を含む書面を提出させるほかは,従来どおりである(準則第59条第1項)。
申請を取り下げた場合であっても,受領証を返還させることを要しない(準則第59条第3項の削除)。
2 送付による添付書面の還付の請求
送付に要する費用を郵便切手等で納付して,送付による添付書面の還付を請求することができることとされた(規則第49条第5項)。
第4 特定指定登記所における事務の取扱い
1 特定指定登記所の指定
規則第116条の2第1項の指定は,各法務局又は地方法務局からの報告に基づき,必要な準備が整った登記所から,順次,行われる。
特定指定登記所においては,オンライン登記申請に関する事務を取り扱う旨を庁内の見やすい場所に掲示しなければならない。
2 オンライン登記申請の対象
オンライン登記申請の対象は,登記の申請(これと同時にする受領証の交付又は送付の請求を含む(規則第116条の2第1項)。また,登記の嘱託を含む(法第15条参照)。以下同じ。)に限るものとする。
したがって,印鑑の提出(法第20条第1項),電子証明書の発行の請求(法第12条の2第1項),登記事項証明書及び印鑑証明書の交付の請求(法第113条の4第1項,法第12条第1項)等は,対象としない。
3 オンライン登記申請の方法
申請人等は,法務省システムから所定の登記申請様式を取得し,これを利用して申請書情報及び所要の添付書面情報を送信することとなるが,申請人等は,これらの情報を送信するときは,別紙2の区分に応じ,電子署名に係る電子証明書を取得して送信しなければならないこととされた(規則第116条の3)。
なお,印鑑の提出を伴う登記申請については,印鑑の提出は,別途,管轄登記所に対して印鑑届書を窓口に提出し,又は郵送することによって行うこととなる。
4 受付の方法
オンライン登記申請については,申請書情報等が登記所に到達した時に自動的に受付番号が付与されるので,登記官は,受付用端末装置を用いた受付登録処理により,受付番号が記載された表紙,申請書情報,添付書面情報及び検証結果情報を印刷して,これらを合綴するものとする。
なお,書面登記申請については,登記官は,申請書を受け取った後,速やかに受付用端末装置の受付番号発番機能を用いた処理により受付番号票を印刷し,これを申請書にはり付けなければならない。
5 登録免許税の納付,確認等
(l)納付情報の掲示
オンライン登記申請があったときは,歳入金電子納付システムを利用して登録免許税を納付することができる期限,納付に必要な納付番号,納付金額等の情報(以下「納付情報」と総称する。)が法務省システムに掲示された旨の電子メールが申請人等に送信されることとなる。
(2)登録免許税の納付及び確認
ア 歳入金電子納付システムによる納付
(ア)オンライン登記申請を行うときは,(1)の期限(以下「納付期限」という。)の経過前に限り,歳入金電子納付システムを利用して当該申請に係る登録免許税の納付を行うことができる(登録免許税法(昭和42年法律第35号)第24条の2)。
(イ)登記官は,申請書情報等を受け取ったときは,遅滞なく,登録免許税が納付されていることを納付状況情報により確認しなければならない。
登録免許税の納付があった場合には,当該納付状況情報を印刷するものとし,これと申請書情報等を印刷したものとを合綴するものとする。
イ 領収証書又は印紙による納付
(ア)オンライン登記申請の場合であっても,領収証書又は印紙を窓口に提出し,又は郵送することによって,登録免許税を納付することができるが,この場合の領収証書又は印紙をはり付ける書類(登録免許税法第24条の2第3項。以下「印紙等貼付用紙」という。)は,別紙第1号様式又はこれに準ずる様式によるものとする。
(イ)登記官は,領収証書又は印紙が印紙等貼付用紙にはり付けられて提出されたときは,印紙等貼付用紙の該当欄への提出年月日の記載及び主任者の押印を行い,これを申請書情報等を印刷したものとを合綴し,速やかに当該申請について付与された納付番号を取り消さなければならない。
(3)未納付の場合の措置
登記官は,登録免許税が納付されないときは,連絡コメントを作成して法務省システムに送信するものとする。
連絡コメントには,次のアからエまでの事項を記録するものとする。
ア 登録免許税が納付されていないこと。
イ 納付期限(納付期限の年月日の記載は要しない。)内でなければ,歳入金電子納付システムを利用した登録免許税の納付はできないこと(領収証書又は印紙による納付方法についても案内すること。)。
ウ 補正期限(当該申請につき登録免許税の納付に係る補正期限として定めた具体的年月日を記載すること。)内に登録免許税の納付がなければ,申請を却下すること。
エ 管轄登記所の電話番号
当該連絡コメントが法務省システムに到達すると,法務省システムに掲示された連絡コメントの参照を促す旨の電子メールが申請人等に送信されるので,登記官は,当該連絡コメントが法務省システムに到達したことを確認し,確認後は,連絡コメントの履歴を印刷した上,これと申請書情報等を印刷したものとを合綴するものとする。
(4)納付額に不足がある場合の措置
登記官は,納付された登録免許税の納付額に不足があるときは,その不足に係る補正コメントを7の(1)の補正コメントと一体として作成して法務省システムに送信するものとする。当該納付額の不足に係る補正コメントには,次のアからウまでの事項を記録するものとする。
ア 納付額に不足があること。
イ オンラインにより補正をする場合には,その際に改めて法務省システムに掲示される納付期限(納付期限の年月日の記載は要しない。)内でなければ,歳入金電子納付システムを利用した登録免許税の納付はできないこと(領収証書又は印紙による納付方法についても案内すること。)。
ウ 補正期限(当該申請につき補正期限として定めた具体的年月日を記載すること。)内に登録免許税の納付がなければ,申請を却下すること。
当該補正コメントが法務省システムに到達すると,法務省システムに掲示された補正コメントの参照を促す旨の電子メールが申請人等に送信されるので,登記官は,当該補正コメントが法務省システムに到達したことを確認し,確認後は,補正コメントの履歴を印刷した上,これと申請書情報等を印刷したものとを合綴するものとする。
(5)追加納付の方法及び処理
ア オンラインにより補正して追加納付を行う場合
申請人等は,7の(2)の方法により申請書情報に係る補正情報を送信した場合には,その際に法務省システムに掲示される納付情報により,歳入金電子納付システムを利用して追加納付分を納付することができる。この場合において,既に定められている補正期限後の日付をもって納付期限が定められたときは,当該納付期限が経過するまでは補正期限を経過したとしても,登録免許税の未納付を理由とする却下はしないものとする。
なお,オンラインにより補正情報を送信し,登録免許税の追加納付分について納付情報を得た後も,領収証書又は印紙を窓口に提出し,又は郵送することによって登録免許税の追加分を納付することができるが,この場合には,補正期限(上記により補正期限後の日付をもって納付期限が定められたときは,納付期限)内に(2)のイの方法により納付するものとする。
イ その他の場合
ア以外の場合における追加納付は,印紙等貼付用紙に領収証書又は印紙をはり付けたものを窓口に提出し,又は郵送することにより行うものとする。
6 調査
(1)オンライン登記申請の調査の方法
登記官は,オンライン登記申請を調査した結果,次のアからオまでのいずれかの場合には,申請を却下しなけれぼならない。ただし,補正が行われた場合は,この限りでない。
ア 申請書情報に作成者として表示された申請人等と電子署名をした者が異なる場合(法第24条第6号該当)
イ 添付書面情報の作成者と電子署名をした者が異なる場合(法第24条第8号該当)
ウ 添付書面情報につき,電子署名の検証の結果,当該添付書面情報が改ざんされていることが検知された場合(検証に失敗した場合)(法第24条第8号該当)
エ 委任状情報につき,電子証明書の有効性確認の結果,申請の受付時において当該電子証明書が存在せず,若しくは有効期限が切れ,失効し,又は保留(ただし,登記事項に変更を生ずべき登記の申請を受け付けたことによる場合は除く。)されていたことが確認された場合(法第24条第8号該当)
オ 委任状情報を除く添付書面情報につき,電子証明書の有効性確認の結果,電子署名時において当該電子証明書が存在せず,若しくは有効期限が切れ,失効し,又は保留(ただし,登記事項に変更を生ずべき登記の申請を受け付けたことによる場合は除く。)されていたことが確認された場合(法第24条第8号該当)
なお,委任状情報を除く添付書面情報につき,電子署名に係る電子証明書は,当該署名を付した電磁的記録の作成時において有効なものであれば足り,登記官が有効性を確認,した時点で失効等していても,差し支えない。電子証明書によっては,過去のある時点における有効性の確認ができない場合があるが,そのような場合には,当該電子署名を付した電磁的記録の作成時において当該電子証明書が有効でないことを明確に推認することができるときを除き,当該電子署名は有効にされたものとして取り扱って差し支えない。
申請書情報又は委任状情報につき,電子署名に係る電子証明書の有効性確認の結果申請の受付時において当該電子証明書が保留されていたことが確認された場合において,当該保留が登記事項に変更を生ずべき先行する登記の申請を受け付けたことによるときは,当該先行する登記の申請の受否の結果に従って所要の審査を行うものとする。
(2)印鑑の提出を伴うオンライン登記申請の取扱い
印鑑の提出を伴うオンライン登記申請がされた場合には,(1)に加え,印鑑届書に記載された申請番号,受付番号,会社法人等番号,商号,本店等により,どのオンライン登記申請とともに提出されたものであるかを確認するものとし,申請書情報又は委任状情報の電子署名に係る電子証明書に記録された申請人等(委任による代理人を除く。)の氏名,住所及び生年月日と提出された印鑑届書に記載された氏名,住所及び生年月日とを照合しなければならない。
7 補正の方法
(1)補正コメント
登記官は,申請書情報等に不備があるときは,補正コメントを作成して法務省システムに送信するものとする。
補正コメントには,次のアからエまでの事項を記録するものとする。
ア 補正を要する事項
イ 補正期限(当該事件で補正期限として定めた具体的年月日を記載すること。)内に補正が行われなければ,申請を却下すること。
ウ 補正の方法の案内
エ 管轄登記所の電話番号
当該補正コメントが法務省システムに到達すると,法務省システムに掲示された補正コメントの参照を促す旨の電子メールが申請人等に送信されるので,登記官は,当該補正コメントが法務省システムに到達したことを確認し,確認後は,補正コメントの履歴を印刷した上,これを申請書情報等を印刷したものとを合綴するものとする。
(2)オンラインによる補正
申請人等がオンラインにより補正を行う場合には,法務省システムから所定の補正様式を取得し,これに補正に係る情報を記録し,又は添付して作成した補正情報及び別紙2の区分に応じた電子署名に係る電子証明書を送信しなければならない。
この場合の調査の方法は,申請書情報等の調査の方法と同様である。
なお,補正情報と共に電子認証登記所(規則第33条の7第1項に規定する電子認証登記所をいう。以下同じ。)の発行に係る電子証明書が送信された場合には,当該補正の対象となる申請がされたことによって当該電子証明書の有効性確認の結果は保留となるときもあるが,登記官は,当該電子証明書を有効なものとして取り扱って差し支えない。
(3)書面による補正
申請人等が申請書情報等に係る補正を書面の窓口への提出又は郵送によって行う場合(差替えの申請書を窓口に提出し,又は郵送することも差し支えない。)には,申請番号により申請を特定して行うものとする。また,申請書情報の場合にあっては,次のアからりまでの申請人等の別に応じ,それぞれに定める印鑑を押印した書面によって補正を行うものとする。なお,委任による代理人が申請する場合には,添付する委任状には,委任者の住所及び氏名と共に,委任者の別に応じ,ア又はイの印鑑を押印する。
ア 法第20条の規定により管轄登記所に印鑑を提出している者 提出している印鑑
イ アの印鑑を提出していない者(委任による代理人を除く。) 印鑑届書に押印されている印鑑
ウ 委任による代理人であって,アの印鑑を提出していない者 代理人の印鑑
登記官は,提出された補正に係る書面(迫完された添付書類を含む。)と申請書情報等を印刷したものとを合綴するものとする。
(4)補正があった場合の処理
補正があった場合には,申請書情報等を印刷したものに,補正があったことを明らかにする措置を施すものとする。
8 受領証の作成
オンライン登記申請により受領証の交付の請求があったときは,申請書情報を印刷したものに受付年月日及び受付番号を記載し,登記官が押印して受領証を作成するものとする。
9 添付書面の還付
オンライン登記申請で送信された添付書面情報は,規則第49条の還付の対象とはならない。10 申請の取下げ
(1)オンラインによる取下げ
申請人等がオンラインにより申請の取下げを行う場合には,法務省システムから所定の取下書様式を取得し,これに取下書に記載すべき事項を記録して作成した取下書情報及び別紙2の区分に応じた電子署名に係る電子証明書を送信しなければならない。
この場合の調査の方法は,申請書情報等と同様である。
なお,取下書情報と共に電子認証登記所の発行に係る電子証明書が送信された場合には,当該取下げの対象となる申請がされたことによって当該電子琴明書の有効性確認の結果は保留となるときもあるが,登記官は,当該電子証明書を有効なものとして取り扱って差し支えない。
登記官は,取下書情報に不備があるときは,連絡コメントにより,不備のない取下書情報等の送信を求めるものとする。
なお,当該連絡コメントが法務省システムに到達すると,法務省システムに掲示された連絡コメントの参照を促す旨の電子メールが申請人等に送信されるので,登記官は,当該連絡コメントが法務省システムに到達したことを確認し,確認後は,連絡コメントの履歴を印刷した上,これと申請書情報等を印刷したものとを合綴するものとする。
(2)書面による取下げ
申請人等がオンライン登記申請を書面の窓口ヘの提出又は郵送によって取り下げる場合には,申請番号により申請を特定した上,次のアからりまでの申請人等の別に応じ,それぞれに定める措置を施すのとする。
ア 法第20条の規定により管轄登記所に印鑑を提出している者又は当該申請に伴い印鑑届書を提出した者 提出している印鑑又は印鑑届書に押印されている当該申請人等の印鑑の取下書への押印
イ アの印鑑又は印鑑届書を提出していない者(委任による代理人を除く。) 取下書に押印した印鑑につき市区町村長の作成した証明書で作成後3月以内のものの添付
ウ 委任による代理人であってアの印鑑を提出していない者 取下書への代理権限を証する書面の添付(当該書面については,委任者の別に応じ,ア又はイの措置を施す。)
(3)取下げに係る申請についての書面等の還付
取下げがされた場合には,申請書情報又は添付書面情報の補正に係る書面及び申請書情報に添付すべきものとして提出された書面は還付することとするが,還付できないときは,申請書頼綴込帳に編綴するものとする。
11 申請の却下
端末装置を用いて却下の指示をすると,申請が却下された旨の電子メールが申請人等に送信されるので,登記官は,当該却下の指示に先立ち,補正情報又は取下書情報を受け取っていないことを確認しなければならない。
申請を却下するときは,準則第62条の規定に従って決定書を作成して,これを申請人等に交付し,又は送付する等の手続を行わなければならないが,同条第3項中「申請書」とあるのは,「申請書情報を印刷したもの」とする。
12 取下げ等の場合の登録免許税の還付
オンライン登記申請について取下げ若しくは却下があり,又は登録免許税の過大納付があった場合において,登録免許税の還付の通知をしたときは,準則第112条第2項の規定にかかわらず,取下げによる還付にあっては取下書情報を印刷したもの又は取下書に,却下又は過大納付による還付にあっては申請書情報等を印刷したものの表紙又は印紙等貼付用紙に,準則附録第50号様式の印版を押印した上,登記官が押印しなければならない。
13 校合
登記官は,校合に先立ち,取下書情報を受け取っていないことを確認しなければならない。
14 閲覧
オンライン登記申請がされた場合には,法第10条第2項前段の規定による閲覧に供するため,申請書類綴込帳に申請書情報等を印刷したものを編綴しなければならないこととされた(親則第116条の5)ので,管轄登記所においてこれを閲覧に供するものとする。
第5 申請書の添付書面の特則
1 会社の代表者の印鑑証明書及び資格を証する書面
オンライン登記申請において,規則第116条の3第3項又は第5項第1号の規定により申請書情報又は委任状情報と共に電子認証登記所の発行に係る電子証明書が送信された場合には,当該申請については,登記所が作成した会社の代表者の印鑑証明書及び会社の代表者の資格を証する書面を添付することを要しないこととされた(規則第116条の4第1項)。
2 登記簿の謄抄本
(1)登記簿の謄抄本を添付すべき場合には,申請人等は,当該登記簿の謄抄本の提出に代えて,当該登記簿に係る登記情報(電気通信回線による登記情報の提供に関する法律(平成11年法律第226号)弟2条第1項に規定する登記情報をいう。)の送信を同法第3条第2項に裁定する指定法人から受けるために必要な情報(照会番号)を提供することができることとされた(規則第116条の4第2項)。
(2)登記官は,申請人等から提供を受けた照会番号により登記情報を確認することとなるが,この場合には,当該登記情報を印刷の上,これと申請書情報等を印刷したものとを合綴するものとする。
なお,当該登記情報を印刷したものは,法第10条第2項前段の規定による閲覧に供するため,申請書類綴込帳に編綴することとされた(親則第116条の5)ので,管轄登記所においてこれを閲覧に供するものとする。
第6 他の登記所を経由してする登記甲申請に関する特則
1 本店移転の登記
(1)登記申請の方法
申請人等は,旧所在地を管轄する登記所が特定指定登記所に指定されている場合には,新所在地を管轄する登記所が特定指定登記所に指定されていなくても(ただし,新所在地を管轄する登記所は,指定登記所に限られる。),オンライン登記申請により,旧所在地を管轄する登記所を経由して新所在地における登記の申請を行うことができることとされた(規則第116条の6第1項第1号)。
(2)登記申請の処理
ア 旧所在地を管轄する登記所(経由登記所)における処理
旧所在地を管轄する登記所においては,却下事由がなければ,新所在地における登記の申請書情報及び委任状情報の内容を新所在地を管轄する登記所に通和することとされた(規則第116条の6第2項)。
この通知は,適宜の方法により行うが,新所在地における登記の申請書情報若しくは委任状情報について書面により補正が行われた場合又は書面による委任状が提出された場合には,これらの書面を新所在地を管轄する登記所に送付するものとする。この送付は,規則第72条の規定に準じて,同条が規定する取扱いによってするものとする。
なお,提出された印鑑届書は,新所在地を管轄する登記所に送付する。
イ 新所在地を管轄する登記所における処理
新所在地を管轄する登記所においては,アによる通知を受けたときは,通知された申請書情報等を印刷し,受付等の所要の処理をすることとされた(規則第116条の8第4項)。
2 合併による解散の登記
(1)登記申請の方法
申請人等は,存続会社又は新設会社(以下「存続会社等」という。)の本店の所在地を管轄する登記所が特定指定登記所に指定されている場合には,消滅会社の本店の所在地を管轄する登記所が指定登記所でなくても,オンライン登記申請により,存続会社等の本店の所在地を管轄する登記所を経由して消滅会社の本店の所在地における解散の登記の申請を行うことができることとされた(規則弟116条の8第1項第2号)。
(2)登記申請の処理
ア 存続会社等の本店の所在地を管轄する登記所(経由登記所)における処理
存続会社等の本店の所在地を管轄する登記所においては,合併による変更の登記(又は設立の登記)をしたときは,消滅会社の解散の登記の申請書情報の内容及び当該合併による変更の登記(又は設立の登記)の年月日を消滅会社の本店の所在地を管轄する登記所に通知することとされた(規則第116条の6第2項,第3項)。
この通知(登記の年月日を含む。)は,適宜の方法により行うが,消滅会社の解散の登記の申請書情報について書面により補正が行われた場合には,その書面を消滅会社の本店の所在地を管轄する登記所に送付するものとする。この送付は,規則第72条の規定に準じて,同条が規定する取扱いによってするものとする。
イ 消滅会社の本店の所在地を管轄する登記所における処理
消滅会社の本店の所在地を管轄する登記所においては,アによる通知を受けたときは,通知された申請書情報を印刷し,受付等の所要の処理をすることとされた(親則第116条の6第4項)。
3 株式交換及び株式移転の登記
(1)登記申請の方法
申請人等は,商法(明治32年法律弟48号)第352条第3項本文又は第364条第3項本文の場合において,株式交換により完全親会社となる会社又は株式移転により設立された完全親会社の本店の所在地を管轄する登記所が特定指定登記所に指定されている場合には,完全子会社の本店の所在地を管轄する登記所が指定登記所でなくても,オンライン登記申請により,完
全親会社の本店の所在地を管轄する登記所を経由して完全子会社の会社の新株予約権の登記の変更の登記の申請を行うことができることとされた(規則第116条の8第1項第3号)。
(2)登記申請の処理
ア 完全親会社の本店の所在地を管轄する登記所(経由登記所)における処理
完全親会社の本店の所在地を管挿する登記所においては,株式交換による変更の登記又は株式移転による設立の登記をしたときは,完全子会社の新株予約権の登記の変更の登記の申請書情報及び委任状情報の内容と当該株式交換による変更の登記又は株式移転による設立の登記の年月日を完全子会社の本店の所在地を管持する登記所に通知することとされた(規則第116条の6第3項)。
この通知(登記の年月日を含む。)は,適宜の方法により行うが,完全子会社の新株予約権の登記の変更の登記の申請書情報について書面により補正が行われた場合には,その書面を完全子会社の本店の所在地を管轄する登記所に送付するものとする。この送付は,規則第72条の規定に準じて,同条が規定する取扱いによってするものとする。
イ 完全子会社の本店の所在地を管轄する登記所における処理
完全子会社の本店の所在地を管轄する登記所においては,アによる通知を受けたときは,通知された申請書情報等を印刷し,受付等の所要の処理をすることとされた(規則第116条の6第4項)。
4 会社分割の登記
(1)登記申請の方法
申請人等は,新設分割により設立する会社又は吸収分割により営業を承継する会社の本店の所在地を管轄する登記所が特定措定登記所に指定されている場合には,分割をする会社の本店所在地を管轄する登記所が指定登記所でなくても,オンライン登記申請により,新設分割により設立する会社又は吸収分割により営業を承継する会社の本店の所在地を管轄する登記所を経由して分割をする会社の変更の登記の申請を行うことができることとされた(規則第116条の6第1項第4号)。
(2)登記申請の処理
ア 新設分割により設立する会社又は吸収分割により営業を承継する会社の本店の所在地を管轄する登記所(経由登記所)における処理
新設分割により設立する会社又は吸収分割により営業を承継する会社の本店の所在地を管轄する登記所においては,新設分割により設立する会社の設立の登記又は吸収分割により営業を承継する会社の変更の登記をしたときは,分割をする会社の変更の登記の申請書情報及び委任状情報の内容と当該新設分割により設立する会社の設立め登記又は吸収分割による営業を承継する会社の変更の登記の年月日を分割をする会社の本店所在地を管轄する登記所に通知することとされた(規則第116条の6第3項)。
この通知(登記の年月日を含む。)は,適宜の方法により行うが,分割をする会社の変更の登記の申請書情報について書面により補正が行われた場合には,その書面を分割をする会社の本店の所在地を管持する登記所に送付するものとする。この送付は,規則第72条の規定に準じて,同条が規定する取扱いによってするものとする。
イ 分割をする会社の本店の所在地を管轄する登記所における処理
分割をする会社の本店の所在地を管轄する登記所においては,アによる通知を受けたときは,通知された申請書情報を印刷し,受付等の所要の処理をすることとされた(規則第116条の6第4項)。
第7 支店所在地における登記
1 登記申請の方法
申請人等は,本店の所在地を管轄する登記所及び支店の所在地を管轄する登記所のいずれもが法第113条の7の指定を受けた登記所であるときは,オンライン登記申請又は書面登記申請により,本店の所在地においてする登記の申請と支店の所在地においてする登記の申請とを,一括して,本店の所在地を管轄する登記所に対してすることができる。
この場合,申請人等は,法第113条の7第5項の規定により,登記手数料を納付しなければならないが,登記手数料の納付及び確認の方法は,次のとおりである。
(1)オンライン登記申請の場合
登記手数料についても,歳入金電子納付システムを利用して納付を行うことができることとされた(規則第116条の7)。
オンライン登記申請の場合の登記手数料の納付及び確認については,第4の5の(2)の登録免許税の納付及び確認に準じて行うものとする。
(2)書面登記申請の場合
登記印紙は,規則第115条の2第1項の登記申請書にはり付けて納付しなければならないこととされた(規則第115条の2第3項)。
2 登記申請の処理
(1)本店の所在地を管持する登記所における処理
本店の所在地を管轄する登記所においては,本店の所在地において登記すべき事項を登記をしたときは,支店の所在地を管轄する登記所に対し,別紙第2号様式による通知書を作成し,これにより通知しなければならない。
なお,本店の所在地を管轄する登記所における登記の申請が設立の登記の申請であるときは,会社成立の年月日をも通知しなければならない(法第113条の8第3項)。
(2)支店の所在地を管轄する登記所における処理
支店の所在地を管轄する登記所においては,(l)による通知を受けたときは,通知書(添付ファイルを含む。)を印刷し,受付等の所要の処理を行う。
なお,印刷された通知書は,申請書頼綴込帳に編綴するものとする。
第8 法人登記等の事務の取扱い
法人登記等の事務についても,その性質に反しない限り,第3から第7までの事務の取扱いの例による。

別紙1
用語の定義
1 特定指定登記所
規則第116条の2第1項の規定により法務大臣の指定する登記所をいう。
2 オンライン登記申請
行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律第3条第1項の規定により同項に規定する電子情報処理組織を使用して行う登記の申請をいう。
3 申請人等
申請人又はその代表者若しくは代理人をいう。
4 法務省システム
法務大臣の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。)であって,オンライン申請を行う場合に用いられるもの(法務省オンライン申請システム)をいう。
5 申請書情報
登記の申請書に記載すべき事項に係る情報に電子署名を行ったものをいう。
6 添付書面情報
登記の申請書に添付すべき書面に代わる情報に電子署名を行ったものをいう。
7 電子署名
規則第33条の4に定める措置をいう。
8 電子証明書
電磁的記録(電子的方式,磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって,電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)に記録することができる情報の作成者が当該情報に電子署名を行ったものであることを確認するために必要な事項を証する情報をいう。
9 検証結果情報
電子署名の検証結果及び電子証明書の有効性の確認結果についての情報をいう。
10 書面登記申請
オンライン登記申請以外の登記の申請をいう。
11歳入金電子納付システム
歳入金を電子的に納付することを可能とするシステムをいう。
12 納付状況情報
歳入金電子納付システムによる登録免許税又は登記手数料の納付の有無及び納付額の情報をいう。
13 補正情報
オンラインによる補正を行うための情報に電子署名を行ったものをいう。
14 委任状情報
添付書面情報のうち,委任による代理人の権限を証する情報に電子署名を行ったものをいう。
15 申請番号
申請書情報等が法務省システムに到達したときに付与される番号をいう。
16 取下書情報
取下書に記載すべき事項に係る情報に電子署名を行ったものをいう。

別紙2 略
別紙第1号様式 略
別紙第2号様式 略