日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律の施行に伴う不動産登記事務の取扱いについて 平成十年十一月十二日付け法務省民三第二一六八号回答

日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律の施行に伴う不動産登記事務の取扱いについて
平成十年十一月十二日付け法務省民三第二一六八号回答

(依命通知)標記について、別紙甲号のとおり日本鉄道 建設公団総裁から民事局長あて照会があり、別紙乙号の とおり回答されたので、この旨貴管下登記官に周知方取 り計らい願います。

(別紙甲号)秋冷の侯、貴職におかれましては、ますま すご清栄のこととお慶び申し上げます。さて、第一四三回臨時国会において、日本国有鉄道清 算事業団の債務等の処理に関する法律(平成一〇年法律 第三一六号。以下「法」という。)が成立し、日本国有鉄道清算事業団(以下「国鉄事業団」という。)は、平成一 〇年一〇月二二日をもって解散し、日本鉄道建設公団 (以下「鉄道公団」という。)に権利及び義務の承継がなされることとなりました。つきましては、標記の承継登記事務に関しまして、下記のとおりの取扱いで差し支えないか、何分のご回答を いただきたくご殿会申し上げます。
        記
一 国名義(内務省、逓信省、鉄道省、運輸通信省、運  輸省)の承継登記について
(1) 表題部の所有者欄に国の名義(内務省、逓信省、鉄道省、運輸通信省又は運輸省の名義)と表示されている不動産のうち、日本国有鉄道法施行法第四条の規定により旧日本国有鉄道(以下「国鉄」という。)が承継したものについては、鉄道公団の嘱託により、国名義から直ちに国鉄と同一人格であるとみなされた国鉄事業団名義とする所有権保存登記を行って差し支えないか。
(2)(1)が差し支えないとした場合の嘱託書の様式は、別添様式1によることとして差し支えないか。
(3) 甲区欄に国の名義(内務省、逓信省、鉄道省、運輸通信省又は運輸省の名義)で登記されている不動産のうち、日本国有鉄道法施行法第四条の規定により国鉄が承継し、更に法附則第二条第一項の規定により国鉄事業団から鉄道公団が承継したものについては、鉄道公団の嘱託により、所有権移転の原因を併記し、国名義から直ちに鉄道公団名義とする所有権移転登記を行って差し支えないか。
(4)(3)が差し支えないとした場合の嘱託書の様式は、別添様式2によることとして差し支えないか。

二 国鉄事業団名義の承継登記について
(1) 甲区欄に国鉄事業団の名義で登記されている不動産については、鉄道公団の嘱託により、国鉄事業団の権利及び義務を承継した鉄道公団名義とする所有権移転登記を行って差し支えないか。
(2)(1)が差し支えないとした場合の嘱託書の様式は、別添様式3によることとして差し支えないか。

三 国鉄名義の承継登記について
(1) 日本国有鉄道改革法(以下「国鉄改革法」という。)第二二条により各承継法人が承継した国鉄又は国鉄事業団名義(住居表示実施前の主たる事務所の表示のものを含む。)の不動産については、国鉄と同一人格であるとみなされた国鉄事業団の権利及び義務を承継した鉄道公団の嘱託により、国鉄又は国鉄事業団名義から各承継法人名義へ所有権移転登記を行って差し支えないか。
  また、、鉄道通信株式会社(現日本テレコム株式会社)が国鉄から承継した不動産については、平成元年一〇月一六日付け法務省民三第四一九四号国鉄事業団理事長あて法務省民事局長回答「日本国有鉄道の改革に基づく日本国有鉄道の承継法人である鉄道通信株式会社が「日本テレコム株式会社」と商号変更したことによる不動産登記の手続について」に基づき、国鉄事業団の権利及び義務を承継した鉄道公団が嘱託手続を行って差し支えないか。
(2)(1)が差し支えないとした場合の嘱託書の様式は、別添様式4によることとして差し支えないか。
(3) 旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律(以下「会社法」という。)附則第六条の規定により各承継法人が出資を受けた国鉄又は国鉄事業団名義(住居表示実施前の主たる事務所の表示のものを含む。)の不動産については、国鉄と同一人格であるとみなされた国鉄事業団の権利及び義務を承継した鉄道公団の嘱託により、国鉄又は国鉄事業団名義から各承継法人名義へ所有権移転登記を行って差し支えないか。
(4)(3)が差し支えないとした場合の嘱託書の様式は、別添様式5によることとして差し支えないか。
(5) 承継法人が承継し、又は出資を受けた不動産に係る所有権移転登記(上記(1)及び(3))に必要な「所有権等の権利の承継又は出資を証する書面」は、法律上承継する法人が特定されているので、添付を省略することとして差し支えないか。
(6) 旧日本国有鉄道清算事業団法附則第二条の規定により国鉄から国鉄事業団に移行したものの登記名義人表示変更の登記が未了の不動産については、鉄道公団の嘱託により、国鉄名義から直ちに鉄道公団名義へ所有権移転登記を行って差し支えないか。
(7)(6)が差し支えないとした場合の嘱託書の様式は、別添様式6によることとして差し支えないか。
(8) 第三者から国鉄への所有権移転登記が未済となっている不動産については、鉄道公団の嘱託により、国鉄と同一人格であるとみなされた国鉄事業団名義とする所有権移転登記を行って差し支えないか。
(9)(8)が差し支えないとした場合の嘱託書の様式は、別添様式7によることとして差し支えないか。
(10)表題部の所有者欄に国鉄の名義と表示されている不動産(承継法人が承継し、又は出資を受けたものを除く。)については、鉄道公団の嘱託により、国鉄名義から直ちに国鉄と同一人格であるとみなされた国鉄事業団の権利及び義務を承継した鉄道公団名義とする所有権保存登記を行って差し支えないか。
(11)(10)が差し支えないとした場合の嘱託書の様式は、別添様式8によることとして差し支えないか。

四 鉄道公団名義、国鉄事業団名義及び鉄道事業者名義 の登記手続について
(1) 国鉄事業団が鉄道公団から承継し、旧日本国有鉄道清算事業団法附則第一三条の規定により鉄道事業者に譲渡しなければならない地方鉄道新線に係る不動産のうち平成一〇年一〇月二二日までに国鉄事業団名義へ所有権移転登記が完了していないものにつ  いては、鉄道公団の嘱託により、鉄道公団名義から 鉄道事業者名義へ所有権移転登記を行って差し支えないか。
  なお、管轄法務局は、別紙のとおりである。
(2)(1)が差し支えないとした場合の嘱託書の様式は、別添様式9によることとして差し支えないか。
(3) 地方鉄道新線に係る国鉄事業団名義の不動産のうち、平成一〇年一〇月二二日までに鉄道事業者名義へ所有権移転登記が完了していないものについては、鉄道公団の嘱託により、国鉄事業団名義から鉄道事業者名義へ所有権移転登記を行って差し支えないか。
  なお、管轄法務局は、別紙のとおりである。
(4)(3)が差し支えないとした場合の嘱託書の様式は、別添様式10によることとして差し支えないか。
(5) 平成六年一二月三日に国鉄事業団が鉄道公団から一部承継し、旧日本国有鉄道清算事業団法附則第一三条により鉄道事業者に譲渡しなければならない地方鉄道新線に係る不動産のうち、平成一〇年一〇月二二日までに国鉄事業団へ所有権移転登記が完了し  ていないものについては、鉄道公団の嘱託により、 鉄道公団名義から直ちに鉄道事業者名義へ所有権移転登記を行って差し支えないか。
 なお、管轄法務局は、別紙のとおりである。
(6)(5)が差し支えないとした場合の嘱託書の様式は、別添様式9によることとして差し支えないか。

五 鉄道公団から鉄道事業者への所有権移転登記について
(1) 平成一〇年一〇月二二日以降に鉄道公団から鉄道事業者へ譲渡する不動産については、鉄道公団の嘱託により、所有権移転登記を行って差し支えないか。
   なお、管轄法務局は、別紙のとおりである。
(2)(1)が差し支えないとした場合の嘱託書の様式は、別添様式11によることとして差し支えないか。

別紙(省略)
様式1~11(省略)

(別紙乙号)本年一〇月二九日付け用管第七号をもって 照会のあった標記の件については、貴見のとおり取り扱われて差し支えないものと考えます。
 なお、この旨各法務局長及び地方法務局長に通知したので申し添えます。