年金福祉事業団の貸付けに関する根抵当権設定契約証書の様式の一部変更について
平成十一年五月六日付け法務省民三第九四五号民事局長回答
(依命通知)標記の件について、別紙甲号のとおり年金福祉事業団理事長から民事局長あて照会があり、別紙乙号のとおり回答されたので、この旨貴管下登記官に周知方取り計らい願います。
(別紙甲号)当事業団の貸付けに関する公正証書作成の嘱託、登記申請等の手続きにつきまして、何かとご指導を賜り厚く御礼申しあげます。
さて、年金福祉事業団の貸付けに関する根抵当権設定契約証書につきましては、当事業団からの昭和五二年六月二三日付年福企発第二号による照会に対して、昭和五二年八月四日付法務省民三第三七六〇号をもって御回答をいただいているところですが、今般その一部を変更し、別紙のとおりとすることとしたいので、登記申請の手続き上差し支えないか、ご照会いたします。
なお、主な変更内容は、下記のとおりです。
おって、別紙のとおりとして差し支えない場合は、貴管下法務局及び地方法務局に対しましてご周知くださいますようご依頼申しあげます。
記
一 法律改正に伴う変更
二 年金福祉事業団を甲、根抵当権設定者兼債務者を乙として表記しているところを甲については年金福祉事業団、乙については借入者に改める。
三 被担保債権の範囲の日付を削除する。
四 地震保険契約に関する条項及び利息の計算条項を追加する。
根抵当権設定契約証書
平成 年 月 日
根抵当権者 東京都千代田区霞が関一丁目四番一号
年金福祉事業団 殿
根抵当権設定者兼債務者
住 所 名 称
代表者氏名 印
(根抵当権の設定)
第一条 上記根抵当権設定者兼債務者(以下「借入者」 という。)は、この証書の各条項を承認のうえ、年金福祉事業団に対する債務の担保に供するため、その所有する後記物件のうえに、共同担保として、次のとおり根抵当権を設定しました。
(1) 極度額 金 円也
(2) 被担保債権の範囲
年金福祉事業団法第一七条第一項第三号イに定める住宅資金の貸付契約による一切の債権
(3) 確定期日 定めない
(登記義務)
第二条 借入者は、前条による根抵当権設定の登記手続を遅滞なく行い、その登記簿謄本を年金福祉事業団に提出します。また、今後、この根抵当権について各種変更等の合意がなされたときも同様とします。
(極度額の変更等)
第三条 借入者は、この根抵当権設定について、年金福祉事業団から極度額の変更、被担保債権の範囲の変更、根抵当権の譲渡または一部譲渡、元本の確定等の申入れがあった場合には、直ちにこれに同意し、必要な登記手続を履行します。
(根抵当物件の現状変更等)
第四条 借入者は、あらかじめ年金福祉事業団の承諾がなければ根抵当物件の現状を変更し、または第三者のために権利を設定し若しくは譲渡しません。
(根抵当物件の変動についての通知義務)
第五条 借入者は、原因のいかんを問わず根抵当物件の現状に変動が生じたときまたは生じるおそれがあるときは、直ちにその旨を年金福祉事業団に通知し、また調査に必要な便益を提供します。
(根抵当物件の殿損滅失等)
第六条 借入者は、根抵当物件が殿損滅失しまたはその価格が低落したときは、年金福祉事業団の要求に応じ、相当の増担保若しくは代り担保を提供し、またはこの根抵当権により担保される債務を直ちに弁済します。
(根抵当物件に関する補償金等による優先弁済)
第七条 借入者は、区画整理その他の理由により根抵当物件について第三者から受ける補償金を年金福祉事業団が直接に請求受領してこの根抵当物件により担保される債務の弁済に充当されても異議がなく、また、年金福祉事業団の請求があればそのために必要な書類を 提供します。
(根抵当物件の追加等)
第八条 借入者は、年金福祉事業団の都合により、他の担保または他の保証を追加、変更または解除されても異議ありません。
(根抵当物件の表示の変更等)
第九条 借入者は、根抵当物件の競売処分にあたり、物件の表示がその所在地、地目、面積または構造等において事実と相違する場合は、直ちにその訂正の手続きを履行します。また、その相違することを理由として、競売処分に対する異議申立はしません。
(損害保険)
第十条 借入者は、この根抵当権が存在する間、根抵当物件について年金福祉事業団と火災保険会社が締結した年金福祉事業団融資対象物件等火災保険特約に基づく火災保険(以下「特約火災保険」という。)の契約を締結します。ただし、根抵当物件について特約火災保険に付保することを希望しないときは、特約火災保険以外の火災保険の保険契約を締結します。
2 借入者が前項の規定により火災保険の契約を締結するときの火災保険金額は、年金福祉事業団の指定する金額以上の額とします。極度額を変更したときも同様とします。
3 借入者は、この契約の継続している間、火災保険の契約を継続し、年金福祉事業団のために火災保険金請求権のうえに質権設定の手続きをとります。火災保険契約に付帯して地震保険契約を締結したときは、その地震保険金請求権のうえにも質権設定の手続きをとります。
4 保険の目的物件が罹災し、年金福祉事業団がこの契約による保険金を受領したときは、償還期限にかかわらず、その保険金を借入者の借入金債務の弁済に充当しても異議を申し立てません。
5 借入者は、年金福祉事業団が借入者に代って特約火災保険の継続又は更改の契約を締結し、火災保険料を支払ったときは、その支払額に年一四・六パーセントの割合による損害金を加算して支払います。
6 第一項に規定する特約火災保険契約の締結及び特約火災保険に付帯する地震保険契約の締結、継続、更改若しくは変更又は火災保険の目的物件の罹災に関する処理等については、年金福祉事業団融資対象物件等火災保険事務取扱規程等によります。
7 第一項但書に規定する特約火災保険以外の火災保険の保険契約及びこれに付帯する地震保険契約の締結等については、年金福祉事業団融資対象物件等火災保険事務取扱規程第三条但書の規定に基づき年金福祉事業団が定めるところによります。
(任意処分)
第十一条 根抵当物件は、必ずしも競売手続によらず一般に適当と認められる方法、時期、価格等により年金福祉事業団において処分のうえ、その取得金から諸費用を差し引いた残額を法定の順序にかかわらず債務の弁済に充当されても異議なく、なお、残債務がある場合には借入者は直ちに弁済いたします。
(根抵当物件の調査)
第十二条 根抵当物件について、年金福祉事業団から請求があったときは、直ちに報告し、また調査に必要な便益を提供いたします。
(費用の負担)
第十三条 この根抵当権に関する設定、解除または変更の登記並びに根抵当物件の調査または処分に関する費用は、借入者が負担し、年金福祉事業団が支払った金額については直ちに年金福祉事業団に支払います。
(期限の利益の喪失)
第十四条 借入者が、この契約の一にでも違反したときは、住宅資金の貸付契約から生ずる債務についての期限の利益を喪失されても異議ありません。
(利息の計算)
第十五条 この契約書に日割計算を必要とする場合、及び損害金は、一年を三六五日として計算します。 この契約を証するため年金福祉事業団に本書を差入れます。
(根抵当物件の表示)
(別紙乙号)三月二九日付け年福融管発第二三号をもって照会のあった標記の件については、貴見のとおり取り扱われて差し支えないものと考えます。 なお、この旨法務局長及び地方法務局長に通知したので、申し添えます。